浄化槽維持管理
浄化槽が正常に機能し、よりよい水環境を実現するためには微生物の機能を維持し、浄化槽に設けられた各設備機器が正常に作動するように点検を行う必要があります。
また、 1年間程度の期間が経過すると、槽内部には汚泥が蓄積し、処理機能が低下するおそれがあるので汚泥の引き出し等の清掃が必要になります。
法律によって定期的な維持管理が義務付けられています。
水の汚れの原因となるものには、汚水中の固形物と水中に溶け込んでいる有機物とがあります。
固形物は沈殿・浮上させることで分離したり、ろ材等でこしたりします。有機物は微生物などの働きで除去します。
嫌気ろ床接触ばっ気方式
①汚水は、まず嫌気ろ床槽に入り、固形物を取り除くとともに「ろ材」についた嫌気性微生物(酸素のないところで働く微生物)が有機物を分解します。
②つづいて、もう一つの嫌気ろ床槽を通り、同じ処理を繰り返してから
③接触ばっ気槽に入ります。ここでは、接触材の表面についた好気性微生物(酸素のあるところで働く微生物)がブロワーから送り込まれる空気の助けを借りて、有機物を分解しながら成長します。
④次に沈殿槽に送り込まれ、汚れの原因である有機物を食べて成長した微生物のかたまりである汚泥を沈殿させます。
⑤最後に消毒槽できれいになった処理水を固形塩素剤で消毒してから放流します。
点検
浄化槽浄化槽の保守点検には、様々な点検項目があります。
まずは目視で槽内設備や浄化処理の状態に異常がないかを確認することから始まり、槽内の水の透視度、PH値、水温、溶存酸素量の測定など、専用の器具・機械で測定しなければならない項目もあります。消毒剤の充填も必要です。
また、浄化槽の中(水の中)にエアーを送り込むための「ブロワー」と呼ばれる機械が24時間稼働しています。浄化槽の中では、「好気性微生物」という、水中の酸素をエネルギーとして活動している微生物が水の浄化を行っており、ブロワーの点検はもちろん、好気性微生物が活動するのに最適なエアー供給量に調整することも必要です。
以上の内容はあくまでも概要ですが、さらには、浄化槽のサイズや種類によって、その点検項目、箇所、専門性は多岐にわたります。が正常に機能し、よりよい水環境を実現するためには微生物の機能を維持し、浄化槽に設けられた各設備機器が正常に作動するように点検を行う必要があります。
また、 1年間程度の期間が経過すると、槽内部には汚泥が蓄積し、処理機能が低下するおそれがあるので汚泥の引き出し等の清掃が必要になります。
法律によって定期的な維持管理が義務付けられています。
清掃
浄化槽は水を浄化する設備です。それは逆に言えば、分離した汚れは浄化槽の中に溜まっていく、ということでもあります。
汚れ(汚泥)が溜まっていくと、浄化槽が能力を発揮できずに放流水の水質が悪化したり、臭気が発生したり、最悪の場合、汚水があふれ出てくることもあります。
そうならないよう、定期的にバキュームカーで浄化槽の汚泥を抜き取り、中をきれいに清掃して、最後に新しい水を充填するという作業が必要です。
※一般家庭の小型浄化槽であれば基本的には清掃は年一回ですが、大型になりますと、サイズと使用状況に応じて、年に数回の清掃が必要になります。